保釈とは?いつできる?保釈金や条件について元検察官が分かりやすく解説

はじめに

「保釈とはどのような制度ですか。」 「逮捕されたらすぐに保釈できますか。」 「保釈金は返ってくるのでしょうか。」 「保釈されたら自由に生活できるのでしょうか。」

刑事事件に関するニュースでは「保釈」という言葉をよく耳にしますが、制度の内容については誤解されていることも少なくありません。

この記事では、保釈制度の基本について、元検察官・現役弁護士の立場から分かりやすく解説します。


この記事で分かること

  • 保釈とはどのような制度か
  • 保釈はいつから利用できるのか
  • 保釈は必ず認められるのか
  • 保釈保証金とは何か
  • 保釈後に守らなければならない条件

保釈とはどのような制度?

保釈とは、起訴された後に、裁判所の許可を受け、保釈保証金を納付することで、一定の条件の下で身体拘束を解く制度です。

ここで重要なのは、

保釈は「起訴された後」に利用できる制度である

という点です。

逮捕されたからといって、すぐに保釈を請求できるわけではありません。


保釈はいつからできる?

刑事事件の流れに沿って見てみましょう。

一般的には、

  1. 捜査
  2. 逮捕(最長2日間)
  3. 検察官への送致
  4. 勾留請求
  5. 勾留(最長20日間)
  6. 起訴または不起訴

という流れで手続が進みます。

勾留されたまま起訴された場合には、原則としてそのまま身体拘束が続きます。

保釈を請求できるのは、この「起訴後」からです。

そのため、

「逮捕されたばかりなので保釈してほしい。」

というご相談を受けることがありますが、現在の制度では、起訴前には保釈制度を利用することはできません。


保釈は請求すれば必ず認められる?

答えはいいえです。

裁判所は、

  • 逃亡のおそれ
  • 証拠隠滅のおそれ
  • 保釈を認める必要性

など、さまざまな事情を総合的に考慮して判断します。

そのため、

保釈が認められる事件もあれば、認められない事件もあります。


保釈保証金とは?

裁判所が保釈を認めると、保釈保証金の金額が決定されます。

この保釈保証金を裁判所へ納付して初めて、身体拘束が解かれます。

保釈保証金は、

逃亡したり、保釈条件に違反したりしないようにするための担保として預けるお金です。

そのため、

保釈中に条件違反がなく、裁判が終了すれば、原則として全額が返還されます。

一方、

逃亡した場合や重大な保釈条件違反があった場合には、全部または一部が返還されないことがあります。


保釈された後の生活

保釈されると、留置場や拘置所から出て生活することができます。

もっとも、完全に自由になるわけではありません。

指定された住居で生活する

裁判所は、保釈を認める際に住居を指定します。

多くの場合は、逮捕前に住んでいた自宅などが指定されます。

無断で別の場所へ移ると、保釈条件違反となる可能性があります。

被害者などへの接触が制限されることがある

事件によっては、

  • 被害者
  • 共犯者
  • 証人

など、事件関係者への接触を禁止する条件が付されることがあります。

このような条件にも従う必要があります。

裁判には必ず出席する

保釈中であっても、指定された日時には裁判所へ出頭しなければなりません。

正当な理由なく欠席した場合には、保釈が取り消される可能性があります。


まとめ

保釈制度について整理すると、

  • 保釈は起訴後に利用できる制度である
  • 起訴前には保釈を利用することはできない
  • 保釈を認めるかどうかは裁判所が判断する
  • 保釈保証金は、条件違反がなければ原則として返還される
  • 保釈後も、住居や接触禁止などの条件を守る必要がある

ということになります。

「保釈」と聞くと、単にお金を払って外に出られる制度というイメージを持たれる方もいますが、実際には裁判所の判断に基づき、さまざまな条件の下で身体拘束が解かれる制度です。

保釈請求を検討している場合や、ご家族が勾留されている場合には、できるだけ早い段階で刑事事件に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。


YouTubeでも詳しく解説しています

この記事の内容については、YouTubeでも具体例を交えながら詳しく解説しています。

保釈とは?いつできる? 元検察官がわかりやすく解説

https://youtu.be/fRi5F3Y2n5c

保釈制度の基本や、保釈保証金の仕組み、保釈後に守るべき条件などについて、元検察官・現役弁護士としての実務経験を踏まえて説明していますので、ぜひあわせてご覧ください。