逮捕されたら家宅捜索される?令状の仕組みや調べられる範囲を解説
はじめに
「逮捕されたら、自宅も捜索されるのだろうか。」 「家族の部屋まで調べられてしまうのだろうか。」 「留守中でも家宅捜索はできるのだろうか。」
家宅捜索は、刑事事件の中でも特に不安を感じる手続の一つです。
もっとも、逮捕されたからといって、必ず家宅捜索が行われるわけではありません。
この記事では、家宅捜索が行われるケースや、令状の仕組み、実際にどのような範囲まで調べられるのかについて解説します。
この記事で分かること
- 逮捕されたら必ず家宅捜索されるのか
- 家宅捜索が行われやすい事件
- 家宅捜索には令状が必要なのか
- 留守中でも家宅捜索はできるのか
- 家族の部屋まで調べられるのか
逮捕されたら必ず家宅捜索される?
結論からいえば、逮捕されたからといって必ず家宅捜索が行われるわけではありません。
家宅捜索が行われるのは、捜査機関が「事件に関係する証拠が自宅に残されている可能性がある」と判断した場合です。
反対に、自宅に証拠が存在する可能性が低い事件では、家宅捜索が行われないこともあります。
つまり、家宅捜索が行われるかどうかは、事件の内容や証拠の所在によって判断されます。
家宅捜索が行われやすい事件とは
一般的には、次のような事件では家宅捜索が行われることが多い傾向があります。
- 薬物事件
- 特殊詐欺などの組織的犯罪
- 詐欺や横領などの財産犯
- 殺人などの重大事件
これらの事件では、自宅に証拠品や関係資料が保管されている可能性が高いためです。
一方で、
- 単純な交通事故
- 路上での暴行事件や傷害事件
などでは、自宅に証拠が残っている可能性が比較的低く、家宅捜索が行われない場合もあります。
もっとも、これはあくまでも一般的な傾向であり、個別の事件によって異なります。
家宅捜索には令状が必要
警察や検察が自由に他人の自宅へ立ち入ることはできません。
原則として、家宅捜索を行うためには、裁判官が発付した「捜索差押許可状」が必要です。
この令状には、捜索する場所や差し押さえることができる証拠物などが記載されています。
留守中でも家宅捜索は行われる?
本人や家族が留守であっても、令状があれば法律上は家宅捜索を行うことができます。
状況によっては、鍵業者を手配して開錠したり、必要があればドアを破壊して立ち入ったりすることも認められています。
もっとも、実務では本人や家族が立ち会える状況で行われることが多く、留守中に実施されるケースは一般的ではありません。
家の中はどこまで調べられる?
家宅捜索では、事件に関係する証拠が保管されている可能性がある場所を中心に確認されます。
例えば、
- 引き出し
- 机
- クローゼット
- 押入れ
- 金庫
などは重点的に調べられることがあります。
もちろん、それ以外の場所についても、証拠の有無を確認するために一定の範囲で確認されることがあります。
家族の部屋も調べられる?
「家族の部屋だから絶対に調べられない」というわけではありません。
令状の対象となる場所に含まれており、事件に関係する証拠が存在する可能性がある場合には、ご家族の部屋についても確認されることがあります。
もっとも、家族の所有物であれば何でも差し押さえられるわけではありません。
差し押さえることができるのは、令状の範囲内で、事件との関連性が認められる証拠物に限られます。
家宅捜索を拒否することはできる?
令状に基づく家宅捜索は、拒否することはできません。
また、捜索中に
- 証拠を隠す
- 証拠を壊す
- 証拠を持ち出す
といった行為は、証拠隠滅と評価され、その後の刑事手続に不利な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、家宅捜索が始まった場合には、冷静に対応することが大切です。
家宅捜索は家中をめちゃくちゃにされる?
家宅捜索というと、「家中を荒らされる」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、実際の目的は事件に関係する証拠を探すことです。
そのため、必要な範囲で家具や収納を確認することはありますが、通常は証拠がありそうな場所を重点的に確認しながら進められます。
もちろん、事件の内容や証拠の状況によって確認の程度は異なりますが、必要もないのに家の中を壊したり、故意に散らかしたりすることを目的として行われるものではありません。
まとめ
家宅捜索については、次の点を理解しておくことが重要です。
- 逮捕されたからといって必ず家宅捜索されるわけではない
- 証拠が自宅に残されている可能性がある事件では行われやすい
- 家宅捜索には原則として裁判官の令状が必要
- 家族の部屋も調べられる場合がある
- 令状に基づく家宅捜索を拒否することはできない
家宅捜索は突然行われることが多く、本人だけでなくご家族も大きな不安を感じる場面です。
もし家宅捜索を受けた場合には、慌てて対応するのではなく、できるだけ早く弁護士へ相談し、今後の対応について助言を受けることをおすすめします。
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この記事の内容については、YouTubeでも具体例を交えながら解説しています。
逮捕されたら自宅の捜索もされるのか?元検察官が解説
どのような事件で家宅捜索が行われやすいのか、家族の部屋はどこまで調べられるのかなど、元検察官としての実務経験を踏まえて説明していますので、ぜひあわせてご覧ください。

