逮捕されるかもしれないときにやってはいけない3つの行動|元検察官が解説
はじめに
「警察から連絡があり、逮捕されるかもしれない。」 「家宅捜索を受けて、この先どうなるのか不安だ。」 「今のうちに何かしておいた方がよいのではないか。」
このような状況では、不安や焦りから、思わず行動を起こしたくなることがあります。
しかし、その行動が、かえって逮捕や勾留、裁判において不利な事情として評価されてしまうことも少なくありません。
この記事では、元検察官としての経験を踏まえ、逮捕される可能性がある状況で避けるべき代表的な3つの行動について解説します。
この記事で分かること
- 証拠隠滅がもたらす影響
- 逃亡するとどうなるのか
- SNSへの投稿が危険な理由
- 不安なときに取るべき対応
NG行動① 証拠を隠滅する
最も避けるべき行動が、証拠を隠滅することです。
例えば、
- スマートフォンやパソコン内のデータを削除する
- 端末を壊したり処分したりする
- 書類を廃棄する
- 被害者や関係者へ口止めをする
- 共犯者と口裏合わせをする
といった行為が挙げられます。
このような行為は、証拠隠滅のおそれがあると判断され、もともと在宅事件として処理される可能性があった事件でも、逮捕される可能性を高めることがあります。
さらに、逮捕後も、
- 勾留が認められやすくなる
- 勾留期間が延長される可能性がある
- 接見禁止が付く可能性がある
- 保釈が認められにくくなる
- 裁判で不利な事情として評価される
など、さまざまな場面で影響を受ける可能性があります。
また、被害者への口止めが証人威迫罪に当たったり、第三者に証拠の廃棄を依頼した場合には、その第三者だけでなく、自らも証拠隠滅罪の教唆犯として処罰される可能性があります。
「完全に隠せば分からない」は危険な考え方
「証拠を完全に消してしまえば分からないのではないか」と考える方もいるかもしれません。
しかし、実務では、削除したデータが解析によって復元されたり、相手方やサーバー側にデータが残っていたりすることも少なくありません。
また、捜査機関は証拠隠滅が行われることも想定して捜査を進めています。
そのため、証拠隠滅はかえって状況を悪化させる可能性が高く、決しておすすめできる対応ではありません。
NG行動② 逃亡する
二つ目は、逃亡することです。
例えば、
- 自宅に戻らず所在を隠す
- ホテルや知人宅を転々とする
- 警察からの連絡を無視し続ける
といった行動です。
逃亡は、証拠隠滅と同様に、逮捕の必要性を判断する際の重要な事情になります。
その結果、
- 勾留されやすくなる
- 勾留期間が長くなる可能性がある
- 接見禁止が付く可能性がある
- 保釈が認められにくくなる
- 裁判でも不利な事情として評価される
ことがあります。
また、第三者に身代わり出頭を依頼した場合には、犯人隠避罪など別の犯罪が成立する可能性もあります。
逃げ切れるケースは多くありません
「逃げ続ければ逮捕されないのではないか」と考える方もいます。
しかし、実務上は、最終的に逮捕に至るケースがほとんどです。
そのうえ、逃亡中は通常の生活を維持することが難しくなり、精神的・経済的な負担も非常に大きくなります。
逃亡は、結果として自ら不利な状況を招く可能性が高い行動といえます。
NG行動③ SNSで事件について発信する
三つ目は、事件についてSNSなどへ投稿することです。
例えば、
- 「私は無実だ」
- 「警察に誤解されている」
- 「相手が嘘をついている」
といった投稿です。
一度インターネットへ投稿した内容は、多くの人が閲覧できるだけでなく、捜査機関にも把握される可能性があります。
実際に、SNSへの投稿が刑事裁判で証拠として提出されることもあります。
また、後になって説明が変わった場合には、「以前の投稿と違う」として供述の信用性が問題となることもあります。
さらに、被害者や事件関係者を誹謗中傷する内容であれば、名誉毀損など別の法的問題に発展する可能性もあります。
不安な状況では、自分の考えを発信したくなることもありますが、事件についてSNSへ投稿することは慎重に避けるべきです。
不安なときこそ、弁護士へ相談を
逮捕される可能性がある状況では、焦って行動するほど状況を悪化させることがあります。
一方で、「何もしない方がよい」のか、「警察からの連絡にはどう対応すべきか」「出頭すべきか」といった点は、事件の内容や証拠関係によって異なります。
そのため、一律に正解があるわけではありません。
自己判断で行動するのではなく、早い段階で刑事事件に詳しい弁護士へ相談し、状況に応じた助言を受けることが重要です。
まとめ
逮捕される可能性があるときには、
- 証拠を隠滅しない
- 逃亡しない
- SNSで事件について発信しない
という3点が特に重要です。
不安や焦りから取った行動が、その後の逮捕や勾留、保釈、裁判などで不利に評価されることがあります。
「どうすればよいか分からない」と感じたときこそ、一人で判断せず、できるだけ早く弁護士へ相談することをおすすめします。
YouTubeでも詳しく解説しています
この記事の内容については、YouTubeでも具体例を交えながら詳しく解説しています。
逮捕されるかもしれないときのNG行動3選 元検察官・弁護士が解説
証拠隠滅や逃亡、SNS投稿が刑事手続にどのような影響を及ぼすのかについて、元検察官・現役弁護士としての経験を踏まえて説明していますので、ぜひあわせてご覧ください。

